仮面舞踏会
大学生なんだから、
楽しんだ方がいい。
そう思いながらも学校、バイト、家、課題。
そんな毎日が過ぎている。
「忙しい」ことを理由に夜遅くに出かける
フットワークの軽さも無ければ
羽目を外すことも無い。
20になって半年も経つのに
まだまともにお酒を飲んだことすら。
最近薄々気づき始めたが、
本当の理由は真面目だからではなく
自分が変わってしまうのが怖いからだ。
アメリカから帰国した後、
就職や進学など各々の道に進んでいた同級生は、
環境の変化から少しずつ違った方向に向かっていた。
もちろん生きていく上で当たり前のことなのだが、
田舎で幼稚園から中学、高校まで同じメンバーで進んできた私にとって同じ環境で育ってきたはずの同級生の考え方が少しずつ変わり、笑いのツボが変わり、話が合わなくなったと感じるあの疎外感がどうしてもトラウマになってしまった。
私はアメリカへ留学し、東京の大学に進学し、
常に新しい風に晒されてきた。
もちろん成長のチャンスも多いが、
「アメリカ/東京に行ってから変わった」と違和感を持たれることが少し怖い。
だからきっと、
自分の中の自分を、
田舎者の自分を、
崩さないように真面目ぶってしまう。
きっとこのままでは
私はずっと田舎者のままなのだろう。
せめて仮面をかぶっている時だけでも
恐れず新しい自分になれるのなら
その間だけでも
自分に縛られない自分になれるのなら
いつかそんな自分にも会ってみたいなぁ。
平成女。